「さすが上級生。水着もスタイルもすごいなぁ〜」
翔菜が唖然というのも仕方がない。
サツキや美里も同じ。
「そーね。みんな、モデルやタレント活動をしているからね」
「え! そうなんですか? 」
私はてっきり香織さんと二人だけかと思った。
「うん。私達みたいにテレビやライブにでていないけど雑誌やラジオにはでているよ」
意外に芸能人がいる。
「でも一年生では芽衣以外では……」
美里が写真をマジマジと見ていた。
「あ! 私、この人見たことがある! 」
普段はのんびりとしているサツキが初めて声を張り上げた。
「芽衣ちゃんの隣の人、隣町のろこどるだよ」
「え? 」
隣町?
サツキはスマホの画面を操作すると見せてくれた。
動画サイトの画面はライブ映像。
「名前は加古 香和。センターの人だよ」
本当だった。
「加古 香和さん? 同じクラスだったかなぁ? 」
私に心当たりはない。
しかも同じろこどるですら知らなかった。
「あー、あの娘同じ学校だったんだ」
のんびりと翔菜が言う。
「同じクラスじゃないから余計にわからなかったんだな。芽衣のライバルってことかな? 」
「美里、ら、ライバルって……そんなぁ〜」
ないない。
あっちは動画を見てわかったけどセンターを務めていてファンも大勢いる。反対に私はまだなりたてでファンすらはっきりしていない。
「私なんかやっぱり相手にならないなぁ。こんなアイドルがいたんじゃね」
笑っていた。
「そーかなぁ。芽衣ちゃん、姫川市では知れているからいいセンいけると思うけど」
「サツキ、ありがとう」
でもこの動画を見た後じゃあ、私は勝てないなぁと確信した。
「うーん。二人とも五分五分かなぁ。確かにライブはあっちだけどトークは芽衣のがウケるけどな」
翔菜がきっぱりと言い切った。
「え? 」
「私だけ帰宅部だからね。HKシスターズが休みの日は周りのアイドルのイベに顔出ししているんだよ」
いいなぁ。
HKシスターズの活動が無かったらアイドルライブをハシゴしていたのに。
「後はオーラかなぁ。芽衣はフツーだからなぁ」
翔菜は悪戯ぽく笑っていた。
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